可哀相とはちょっと違う。
比較なんて出来ないと思った。
血なんて繋がってない。
知らない部分が多過ぎる。
そして勿論、親しい関係なんかじゃない。
話したこともない。
本音も聞いたことが無い。
亡くす事を軽んじた事なんてない。
情報のレッテルで初めて小耳に挟んだ時、
何の感情も沸かなかった。
それよか不謹慎な台詞が行き交う会話に浸って
情報交換の場が心地よかったんだ。
あれから何年も経って、今更傷みを解った気になった事も
何をどうしても悲しくなる事も、全部知られる事は無い。
独りで、勝手に、そう勝手に私情も交えながら想い耽ろうとも
虚しい空気に陳腐な言語の書き出しばかりが溢れて窒息しそうだ。
今、この時この虚しさ、やはり知らなければ生まれなかった。
私はどうしても情報枠からしか知ることは出来ない。
亡くした者と同等の境涯に立たされた事で何を想うのだろう。
壁の向こう側に、どうか幸福を祈らせてください。
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